トリスタンとイゾルデの結婚式は、春にドンバ王国首府イスファの《ドラゴリス大聖堂》で挙行された。主祭はドラゴリス教法王のアメリであった。死者の復活という未曾有(みぞう)の出来事にエゴルディア大陸の民衆は歓喜した。先のカーナティック大戦を生き残った二百数十体のウルクハイが威儀(いぎ)を正して整列していた。結婚式の主だった参加者は、トリスタンの家族であるグレオスとジェシカとマリア、すでに結婚していたロイスとクオリア、犬のナディ、ドンバ王国宰相ルキア、プレシオス、カナルディア、ホミル、そしてアメリがトリマスの大斧で呼び出した、緑龍ダンテと黒龍ドリスカルドと白竜カレン、ホビットの長(おさ)ケイレン・バギンズ、オルロンの槍(やり)を預かっていたドワーフのキュクレ、ベーメン教祭官ザーマ、ゴルムント僧官バラリア、デマストス騎士修道会士トルホンといった面々であった。結婚式は、日の出から日没まで、三度の食事を含めて、盛大に執り行われた。
「トリスタン、これが本当だって、信じられる?」イゾルデが言った。
「信じられない」トリスタンが言った。
「どう思う?」イゾルデが言った。
「最高だ!」トリスタンが言った。