閉じた場所で閉じた言葉を語る
開いた世界と閉じた世界
閉じた世界にいる人間と開いた世界にいる人間の数はどちらが多いか
閉じた世界にいる人間の数の方が多いのである
なぜなら暗い病院の保護室も
ひとつの宇宙船地球号と言えるのだから
宇宙に人間は日常的にまだ住めないのだから
気の毒にも人間は地球に閉じ込められているのだ
遺伝子も運命もわれわれは選べない
それでもなお自由という夢を見ようとする
宇宙の始まりから終わりまで全てが決まっていて
誰も変えることができない
その絶望、いや希望だろうか
あなたの口から入る物には何の心配もいらないとイエスが言ったのだから
われわれにはたしかに麻薬が必要だ
自由、希望、愛という麻薬が
それが存在しないものであるならば
その幻覚は治療の対象となるのであろうか
それとも存在すると信じることは妄想ではないのか
しかし、われわれには優しさが必要だ
不真実という優しさが
自由、希望、愛という不真実が
ぼくは好きなんだ あなたのことが